最新型のエアコンには、AIによる室温の自動調整をはじめ、10年前には見られなかった多彩な節電機能が搭載されています。それでは、現在使用している10年前のエアコンを最新型に買い替えると「節約」につながるのでしょうか?
この記事では、10年前のエアコンと最新エアコンの電気代を徹底比較し、最新モデルに搭載された省エネ機能について紹介します。
節約効果はどれくらい? 最新型と10年前のエアコンを比較してみた
エアコンの省エネ性能は年々向上しています。では、10年前のエアコンと最新のエアコンでは、消費電力にどれほどの差があるのでしょうか。
ここでは、ダイキン「うるさらシリーズ」の10年前のエアコンと最新型の電気代を比較します。最新モデルの「うるさらX」は、10年前の「うるさら7」の後継機にあたります。同じメーカー・シリーズで比較することで、省エネ性能の進化がより分かりやすくなります。
機種情報 | うるさらX | うるさら7 |
---|---|---|
メーカー | ダイキン | ダイキン |
製造年 | 2024年 | 2014年 |
畳数目安 | 6畳用 | 6畳用 |
通年エネルギー消費効率(AFP) | 7 | 6.6 |
冷房消費電力 | 390W | 450W |
暖房消費電力 | 440W | 450W |
年間消費電力量 | 594kWh | 630kWh |
年間電気代 | 1万6,038円 | 1万7,010円 |
最新モデルは、年間の電気代が約1,000円安くなることが分かりました。
AFPとは、消費電力1 kWあたりの冷房・暖房能力を示す指標で、数値が高いほど省エネ性能が優れていることを意味します。最新型は旧型に比べてAFPが0.4高く、省エネ性能が向上していることが分かります。
快適さはアップ、電気代はダウン! 最新エアコンの賢い省エネ機能
最新型のエアコンは、エネルギー効率が向上しているだけでなく、10年前のモデルにはない多彩な省エネ機能も搭載しています。
太陽光発電システムとの連携
シャープのXシリーズに搭載されている機能で、太陽光発電システムとエアコンが連携することで電気代を抑えます。発電量に応じてエアコンの消費電力を調整することで、快適性を維持しながら省エネ運転を実現しています。
シャープの試算によれば、この機能により、冷房の電気代は約25%、暖房時は約20%節約できます。
AIによるコントロール
AIが部屋の断熱性や気密性、広さを総合的に分析し、室温の変化や体感温度を予測して運転モードを自動で切り替えます。暑さや寒さを感じる前に室温を自動で調整するため、ムダが少なく、省エネになります。
スマホやインターネットとの連携
インターネットと連携することで、使用者の起床時間や帰宅時間、就寝時間などを学習し、生活リズムに合わせて運転を最適化するため、エネルギーの無駄を減らします。また、スマホと連携すれば外出先からエアコンを遠隔操作できるため、切り忘れを防止できます。
特に、お子様がエアコンをつけっぱなしにして外出してしまうことが多いご家庭におすすめの機能です。
これらの機能により、快適な室内環境を保ちながら、電気代を効率的に節約できます。最新のエアコンは省エネ機能の他にも、スマホで電気代を確認できる機能や、ペットの特性に合わせて温度調整ができるモードなど、便利な機能が多数搭載されています。
最新型が必ずしも節電に有利とは限らない! 10年前の上位モデルとの省エネ性能比較
電気代の節約を考える上で、省エネ性能が向上している最新のエアコンに買い替えるべきか悩む人も多いでしょう。
ここで注意したいのは、最新機種だからといって、必ずしも10年前のエアコンよりも省エネ性能が優れているとは限らない点です。メーカーごとに複数のモデルがあり、同じメーカーでも下位モデルと上位モデルでは、省エネ性能に大きな差があります。
まずは、ダイキンのスタンダードモデル「Eシリーズ」と、最上位モデル「うるさらX」の電気代を比較してみましょう。
下記の表の通り、最新モデルの方が年間電気代を3,321円も節約できます。
項目 | Eシリーズ | うるさらX |
---|---|---|
メーカー | ダイキン | ダイキン |
畳数目安 | 6畳用 | 6畳用 |
通年エネルギー消費効率(AFP) | 5.8 | 7 |
冷房消費電力 | 580W | 390W |
暖房消費電力 | 470W | 440W |
年間消費電力量 | 717kWh | 594kWh |
年間電気代 | 1万9,359円 | 1万6,038円 |
また、10年前のエアコンでも最新型と同等の省エネ性能を持つものがあります。例えば、2014年に発売された日立の上位モデル「白くまくん(RAS-X22E)」は、現在の最新モデルに匹敵するほどの高い省エネ性能を実現しています。
項目 | 白くまくん (RAS-X22E) | うるさらX |
---|---|---|
メーカー | 日立 | ダイキン |
製造年 | 2014年 | 2023年 |
畳数目安 | 6畳用 | 6畳用 |
通年エネルギー消費効率(AFP) | 7 | 7 |
冷房消費電力 | 400W | 390W |
暖房消費電力 | 430W | 440W |
年間消費電力量 | 594kWh | 594kWh |
年間電気代 | 1万6,038円 | 1万6,038円 |
現在使用しているエアコンの省エネ性能を確認し、最新型と比較してみましょう。調べ方は、メーカーのWebサイトで確認する方法のほか、「価格.com」で型番を入力し、「製品情報」を参照すると詳細なデータが確認できます。
まとめ
10年前のエアコンの中にも、最新型と同等の省エネ性能を備えた機種があるのは意外ですよね。 ただし、エアコンの耐用年数は一般的に使用開始から約10年とされており、それを過ぎると故障の可能性が高まります。冷暖房の効きが悪くなり、気づかないうちに電気代が上がっている場合もあるため注意が必要です。
さらに、エアコンは突然故障することが多く、特に夏場は高温の影響で室外機が壊れやすくなります。この時期は修理や買い替えが集中し、販売店や業者の予約が取りにくく、使用できるまで数週間かかることもあります。買い替えを検討する際は、早めに行動することを心がけましょう。